Overview
第42回フレキシブル医療IT研究会(東京大学 弥生会館一条ホール)にて登壇しました。AGIの到来を背景に、遠赤外線カメラと深層学習を用いたプライバシー保護型の転倒検知アルゴリズム「CareTube」の研究成果と実証データを発表。転倒見逃し率を改善した成果や、LLMを活用した感情分析システムの実用性について包括的に解説しました。
講演概要
本講演では、急速に進展するAI技術の最前線から、高齢者介護現場における具体的なAI実装のユースケースまでを包括的に解説しました。イーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏らが数年以内の実現を予測する「AGI(汎用人工知能)」のインパクトを背景に、遠赤外線カメラと深層学習を用いたプライバシー保護型の転倒検知アルゴリズム、およびLLMを活用した入居者の感情分析システム「CareTube」の研究成果と実証データを発表しました。
AGI到達予測とAI導入がもたらす企業価値
人間と同等以上の知能を持つAGIの実現時期について、各識者(イーロン・マスク氏:2026年以内、サム・アルトマン氏:2029年以内等)の予測を提示し、産業構造の劇的な変化を解説しました。年次報告書におけるAI関連キーワードの出現頻度(AIスコア)が企業価値(Tobin's Q)に正の有意な影響を与えること、また株価急落リスクを有意に小さくすることを2010〜2024年の市場データ分析論文を基に示しました。
地政学的リスクとAI格差
最新レポートを引用し、計算資源へのアクセス格差による「AI格差」の拡大や、寡占化によるシステミックリスク(単一障害点)の懸念を指摘。企業・社会レベルでのAI戦略の重要性を強調しました。
遠赤外線カメラを用いた転倒検知アルゴリズム
夜間の見守りにおける介護者の負担軽減とプライバシー保護を両立するため、非侵襲な遠赤外線(サーマル)カメラを利用した転倒検知システムを提案。車椅子利用者特有の「緊急ではないずり落ち」と「緊急の転倒」の識別という難しい課題に、独自のアルゴリズムで取り組みました。
YOLOv8による姿勢推定
サーマル画像に対応した物体検出
テクスチャ情報が乏しく温度ノイズが乗るサーマル画像に対し、YOLOv8を適用して人物のBBOXと姿勢確率(Sitting / Lying / Standing)をリアルタイムで出力します。
Torso Angle Change (TAC)
楕円近似による体の傾き変化量の算出
OpenCVを用いた楕円近似により体の傾き角度(Torso Angle)を抽出し、フレーム間差分を算出。「ゆっくりずり落ちる」と「急に倒れる」の動的な差異を特徴量として捉えます。
マルチタスク学習
関連タスクの同時学習で汎化性能を向上
転倒検出と同時に加速度推定など関連タスクを予測させるマルチタスク学習を採用。データ不足の問題を補い、汎化性能の向上を実現しました。
イベント情報
カテゴリ
イベント / 登壇
年度
2025
分野
医療AIエコシステム・介護テック・深層学習
言語
Python
技術スタック
キーワード
ハイライト
- ✓第42回フレキシブル医療IT研究会(東京大学 弥生会館)にて代表登壇
- ✓転倒検知の見逃し率を39%から21%に改善(F1スコア最大0.79)
- ✓LLM×動画AIによる感情分析システム「CareTube」の実証データを発表
- ✓AGIと企業価値の相関を論文ベースで解説
