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大阪教育大学 × 内閣府BRiDGE | 教員支援AIエージェントのUX設計と学校現場実装
AI 開発2026

大阪教育大学 × 内閣府BRiDGE | 教員支援AIエージェントのUX設計と学校現場実装

UX DesignEdTechLLMBRiDGEField Validation

Overview

内閣府BRiDGEプログラム採択テーマ「教育向けAIモデルの構築と人と協調するエージェントAI教育支援エコシステムの開発」(R8-01)において、大阪教育大学の公式役割である「インターフェース研究開発・実証研究」を担ったUI/UX案件。TALIS 2025で日本の中学校教員のAI活用率が55か国中54位と問題提起されるなか、「教員が使いこなす」のではなく授業準備の流れに自然に組み込めるAI支援体験を設計した。PL(プロジェクトリード)として3名のメンバーを率い、要件定義からUXコンセプト・ワイヤーフレーム・システム構成設計・実証ロードマップ策定まで一貫して推進した。

プロジェクト背景:日本の教育AI活用の遅れと構造的課題

TALIS 2025の調査で、日本の中学校教員のAI活用率は55か国中54位という深刻な実態が明らかになった。しかし課題は活用率の低さだけではない。汎用生成AIをそのまま教育現場に持ち込んだ場合、PISA選択問題において英語では100%近い正答率を示すLLMが、日本語では約70%水準に低下するという精度差が存在し、教材・説明文・コメントとしてAI出力をそのまま流用するのは危険な状況にある。本プロジェクトでは、単なる生成AI導入ではなく、教育制度・学習指導要領・学校運用に適合した支援UIの設計を中核課題として位置づけた。

🎯

UXコンセプト:教師の共同編集者として

「教師の代わりに決めるAI」ではなく、「教師の判断速度と質を上げる共同編集者」として設計する。AI提案をそのまま採用させず、レビューと編集を前提とした画面設計により、教師が最終判断者であり続ける運用を実現する。

解くべき課題:4つの設計要件

課題 1

業務負荷の削減

教材作成・問題作成・フィードバック生成

教員が授業準備・教材作成・評価・生徒対応に費やす時間を削減する。成功指標として削減時間10%以上・満足度80%以上をKPIに設定。

課題 2

AI出力の信頼性担保

説明可能性と根拠提示

「なぜこの提案なのか」を示す根拠・説明文・参照データを画面上に表示し、教員がAI出力を批判的に評価できる状態を作る。

課題 3

教員主導の運用設計

レビュー導線と差し戻し

教員が最終判断する運用に合わせ、入力より選択・修正を中心にしたUX設計を採用。再生成・差し戻し・採用の明確な導線を設ける。

課題 4

現場導入負荷の低減

権限管理・監査ログ・運用画面

個人利用ではなく校務導入を見据え、管理者視点の統制・監査ログ・データ取扱い説明まで設計範囲に含める。

既存ツールとの差別化:このPJが持つ独自の強み

  1. 1研究実証つきの教育AI基盤であること:既存SaaSが機能提供中心なのに対し、本PJは教育特化型LLM・教員支援・学習者支援・教育改善までを一体で設計している。
  2. 2大阪教育大学の役割がUI/実証そのものであること:単にAIを導入するのではなく、学校現場で使えるインターフェースと運用設計を研究対象にしている。
  3. 3日本語・日本の教育制度への深い適合:xAPI / LRSで学習ログと対話ログを蓄積し後段の教育改善研究へ接続。英語圏プロダクトとは異なり日本の公教育文脈に特化している。

ユーザーフロー:授業準備から改善サイクルまでの5ステップ

変数説明データ型
01 授業計画入力単元・学年・目標を入力し、AIが授業計画の草案を提案入力フェーズ
02 AI提案レビュー提案の根拠・指導要領整合・理解度履歴を確認しながら採用/修正/別案生成判断フェーズ
03 教材・問題の生成採用した授業計画に基づき教材・問題・説明文を自動生成生成フェーズ
04 授業実施・ログ収集授業中の学習者対話履歴・フィードバック・理解度データをxAPI形式で収集実施フェーズ
05 次回改善へ反映次時の教材調整や個別支援案をAIが再提案し、改善サイクルを継続改善フェーズ

システム構成:4層アーキテクチャ

Layer 1

教員UI

授業計画 / 教材作成 / 採点補助 / 改善提案確認

選択・修正中心のUX。AI提案の根拠・指導要領整合性・理解度履歴を常時表示。権限管理・監査ログ対応の管理者画面も含む。

Layer 2

教員支援エージェント

プロンプト制御 / 教材生成 / 評価コメント生成 / 根拠提示 / ログ記録

教員の操作意図を解釈しLLMへの指示を最適化。出力結果に根拠・説明文を付与し、xAPI形式でLRSへログを記録。

Layer 3

教育特化型LLM

LLM-jp基盤 / 安全性・適合性評価

日本語の教育文脈で誤りや不自然さを起こしにくいLLM-jp系モデルを採用。学習指導要領への適合性チェックを組み込む。

Layer 4

教育データ基盤・連携

学習eポータル / MEXCBT / LEAF / TAO CBT / LRS/xAPI

学習履歴・対話履歴・理解度・課題回答をxAPI標準でLRSに蓄積。TAO CBTシステムのログ改修を通じてCBTデータとも連携。

実証ロードマップ

変数説明データ型
R8 初期フェーズ附属学校園・協力校へのヒアリング、学校現場の要望収集、倫理審査申請要件定義
R8 実装フェーズ教員支援UIの研究開発、TAO CBT改修、探究支援AIエージェント試作、対話ログ蓄積基盤整備開発・試作
R8〜R10 実証フェーズ小中高での実証、業務負担軽減・満足度・学習改善指標を評価し、社会実装に向けて継続改善実証・改善

プロジェクト情報

カテゴリ

AI 開発 / UX設計 / EdTech

年度

2026

分野

教育AI / エージェントUI / 学校現場実装

所属

大阪教育大学 × 内閣府BRiDGEプログラム R8-01

技術スタック

LLM-jp(日本語特化型LLM)教員支援エージェントxAPI / LRSTAO CBT学習eポータル / MEXCBT / LEAF

キーワード

BRiDGE内閣府大阪教育大学教員支援AIUX設計学校現場実証LLM-jpxAPILearning Analytics教材生成採点補助説明可能AI

ハイライト

  • TALIS 2025で55か国中54位という日本の教員AI活用遅れという構造問題への設計的アプローチ
  • 「教師が使いこなす」のではなく授業準備の流れに自然に組み込むUXコンセプトの策定
  • AI提案へのレビュー・根拠表示・差し戻し導線を前提にした教師主導の画面設計
  • LLM-jp採用による日本語教育文脈での精度・安全性担保(PISA日英正答率差への対応)
  • xAPI / LRS標準によるログ蓄積と後段の教育改善研究への接続設計
  • 削減時間10%以上・満足度80%以上・ハルシネーション率1%以下のKPI設定